●関節液の気泡が一気に弾けるという説が有力
膝の屈伸やストレッチをしたときに関節が”ポキつ”と鳴ることがあります。「クラッキング」とも呼ばれ、指の関節をはじめ首や顎、手首、肘、膝など、いろいろな関節で起こる現象です。
子供の頃、指の関節をわざと鳴らしたことがある人も多いのではないでしょうか。
この音の正体については、長年いろいろな説が考えられてきましたが、最近の研究では、関節液(滑液)の小さな気泡が崩壊することで発生する音だという説が有力です。
関節は、「関節包」という袋で覆われ、骨と骨の間にわずかな隙間は潤滑油の役目を果たす「関節液(滑液)」によって満たされています。
指を引っ張ったり急に関節を曲げたりすると、骨と骨の間は離れますが、滑液の量はそのままなので関節包内の圧力が一気に下がります。
すると、滑液の中に二酸化炭素などのガスが生じて、気泡ができます。これは、密封された状態で圧力が下がると中から気体が発生するという、液体の性質のためです。
そして、さらに関節内の骨が離されると、この気泡が 一気に移動して弾け、その音が周囲の軟骨や骨、関節包、腱などに反響して、”ポキッ”とした音になるのです。
●一度鳴らした関節を続けて鳴らすことができないのはなぜ?
一度鳴らした関節を、続けて何度も鳴らせないのは、ガスが再び滑液に溶けるまで時間がかかるためです。
よく、指の関節をポキポキ鳴らし続けると指が太くなる、と言われますが、その真偽は定かではありません。ただし、気泡が弾ける瞬間は、小さな面積に1トン以上もの力が働くと言われます。
無理な力をかけ続けると、関節の組織を損なう可能性もあるので、面白がって、鳴らすのは、控えた方が良さそうです。