運動は、腸内細菌の多様性を促すとされています。多様性というと難しく考えてしまいますが、運動を行うことで腸内では以下のようなことが起きやすくなるそうです。
●短鎖脂肪酸の体内合成が促される
●短鎖脂肪酸が増えると、大腸内の細胞のエネルギーレベルが高まる。
●短鎖脂肪酸が増えると、それが血中に溶け込んでインスリンの感受性を高め、筋量を維持しやすくなる。
●大腸ガンの原因になりやすい細胞の変異を予防する率が高まる。
ただし、どんな運動でも一様に同じ腸内細菌を活性化させるわけではありません。
例えば、有酸素運動は腸内細菌叢を短時間で変化させる作用がありますが、筋肉に負荷をかけるウェイトトレーニングでは腸内細菌叢の変化はほとんど見られないそうです。
ラグビー選手と運動をしない人たちの腸内細菌叢を比較した実験によると、ラグビー選手はアッカーマンシアと呼ばれる特殊な腸内細菌のレベルが高いことが分かったそうです。
更に、アスリートや定期的に運動を行う人たちの腸内では、プレボテラという腸内細菌の増加が見られ、これは筋肉の疲労回復を促すBCAAの代謝を高めると言われています。
このように、アスリートに特化した腸内環境があることが多くの実験で確認されています。
食事を工夫して定期的な運動を行うことで腸内環境を整え、理想的な腸内環境叢を育てることが出来ると覚えておきましょう。